HTTPとは?

投稿者: | 2024年11月23日

HTTP(HyperText Transfer Protocol)は、WebブラウザとWebサーバ間でデータを送受信するための通信プロトコルです。主にWebページの閲覧(HTML、CSS、JavaScriptなどの取得)やAPI通信に使用されます。HTTPはインターネット通信の基盤であり、リクエストとレスポンスの仕組みに基づいて動作します。

現在では、よりセキュアな通信を提供するHTTPS(HTTP Secure)が主流となっています。


1. HTTPの基本構造

1.1. リクエストとレスポンスの仕組み

  • HTTPはクライアント(通常はWebブラウザ)とサーバ間でデータをやり取りします。
  1. リクエスト: クライアントがサーバに対してデータやリソースを要求。
  2. レスポンス: サーバがリクエストに応じてデータやステータスコードを返送。

1.2. ステートレス通信

  • HTTPは**ステートレス(stateless)**なプロトコルであり、リクエストごとに独立して処理され、サーバ側でクライアントの状態を保持しません。
  • 必要に応じて、クッキーやセッションで状態を管理します。

2. HTTPリクエストの構造

HTTPリクエストは、以下の要素で構成されます。

2.1. リクエストライン

  • メソッド: リクエストの種類(例: GET、POST、PUT)。
  • URL: リクエスト対象のリソース。
  • HTTPバージョン: 使用するHTTPのバージョン(例: HTTP/1.1、HTTP/2)。

例:

httpコードをコピーするGET /index.html HTTP/1.1

2.2. ヘッダー

  • リクエストに関する追加情報(例: クライアント情報、認証情報)。
  • 例:httpコードをコピーするHost: www.example.com User-Agent: Mozilla/5.0 Content-Type: application/json

2.3. ボディ

  • メソッドによってはデータを送信する際に使用(例: POSTリクエストのフォームデータ)。

3. HTTPレスポンスの構造

HTTPレスポンスは、以下の要素で構成されます。

3.1. ステータスライン

  • HTTPバージョン: 使用するHTTPのバージョン。
  • ステータスコード: リクエストの結果(例: 200 OK、404 Not Found)。
  • 理由フレーズ: ステータスコードを説明するテキスト。

例:

httpコードをコピーするHTTP/1.1 200 OK

3.2. ヘッダー

  • レスポンスに関する情報(例: コンテンツの種類、キャッシュ制御)。
  • 例:httpコードをコピーするContent-Type: text/html Content-Length: 1234

3.3. ボディ

  • サーバが返すデータ(例: HTML文書、JSONデータ)。

4. HTTPメソッド

HTTPメソッドは、リクエストの目的を指定します。

メソッド説明主な用途
GETリソースの取得Webページ、画像の取得
POSTデータをサーバに送信フォームデータの送信
PUTリソースの作成または更新ファイルのアップロード
DELETE指定リソースの削除リソースの削除
HEADリソースのヘッダー情報を取得(ボディなし)キャッシュの確認
OPTIONSサーバがサポートするメソッドを取得メソッド確認
PATCHリソースの部分更新一部データの更新

5. HTTPステータスコード

HTTPステータスコードは、リクエストの処理結果を示します。

5.1. 1xx: 情報

  • 100 Continue: 処理を継続。

5.2. 2xx: 成功

  • 200 OK: 正常に処理された。
  • 201 Created: リソースが作成された。

5.3. 3xx: リダイレクト

  • 301 Moved Permanently: リソースが恒久的に移動。
  • 302 Found: 一時的に移動。

5.4. 4xx: クライアントエラー

  • 400 Bad Request: リクエストが無効。
  • 401 Unauthorized: 認証が必要。
  • 403 Forbidden: アクセスが禁止されている。
  • 404 Not Found: リソースが見つからない。

5.5. 5xx: サーバエラー

  • 500 Internal Server Error: サーバ内部エラー。
  • 503 Service Unavailable: サービス利用不可。

6. HTTPのバージョン

6.1. HTTP/1.1

  • 長らく標準とされていたバージョン。
  • 特徴:
    • キープアライブ接続(複数リクエストを1つの接続で処理)。
    • ヘッダーの冗長性が高い。

6.2. HTTP/2

  • パフォーマンス向上を目的に設計。
  • 特徴:
    • ヘッダー圧縮(HPACK)。
    • マルチプレックス化(1つの接続で複数のデータストリームを処理)。

6.3. HTTP/3

  • QUICプロトコルを基盤とする最新バージョン。
  • 特徴:
    • UDPを使用した低遅延通信。
    • 接続再利用の効率化。

7. HTTPとHTTPSの違い

特徴HTTPHTTPS
暗号化なしTLSを使用して暗号化
ポート番号80443
セキュリティデータは平文で送信されるデータは暗号化され安全
用途公開情報(例: ブログ)機密情報(例: ログイン、決済)

8. HTTPの利点と課題

8.1. 利点

  1. シンプルな設計:
    • 学習が容易で実装が簡単。
  2. 普及率:
    • インターネットの標準プロトコル。
  3. 拡張性:
    • REST APIのような多用途な利用が可能。

8.2. 課題

  1. セキュリティリスク:
    • 平文通信のため、盗聴や改ざんが可能。
    • 解決策: HTTPSの使用。
  2. パフォーマンスの限界:
    • HTTP/1.1では、ヘッダーの冗長性や接続の効率が低い。
    • 解決策: HTTP/2やHTTP/3の導入。

9. HTTPの応用例

  1. Webページの閲覧
    • ブラウザがHTTP/HTTPSを使用してWebサーバからコンテンツを取得。
  2. REST API
    • クライアントとサーバ間でJSONやXML形式のデータを交換。
  3. ファイルダウンロード
    • HTTP経由で画像やソフトウェアを取得。

10. まとめ

HTTPは、Web通信の基盤を支える重要なプロトコルです。そのシンプルさと拡張性により、Webページ閲覧だけでなく、REST APIやデータ通信にも利用されています。

現代では、セキュリティ向上のためにHTTPSがほぼ標準となっています。また、HTTP/2やHTTP/3のような新しい技術の導入により、パフォーマンスも大幅に向上しています。

学習を進める際には、HTTPの基本的なリクエストとレスポンスの構造を理解し、ツール(例: curlやブラウザのデベロッパーツール)を活用して実際の通信を観察すると良いでしょう。