DDoS攻撃(Distributed Denial of Service)とは?

投稿者: | 2024年12月5日

DDoS攻撃は、「分散型サービス妨害攻撃」と訳され、複数のコンピュータやデバイスを利用してターゲットのサーバやネットワークに過剰なトラフィックを送ることで、サービスの停止や著しい遅延を引き起こすサイバー攻撃です。


1. DDoS攻撃の目的

  1. サービスの停止
    • Webサイトやオンラインサービスを利用不能にする。
  2. 業務の妨害
    • 攻撃対象の企業や組織の業務を混乱させる。
  3. 金銭的要求
    • サービス復旧と引き換えに身代金を要求(DDoS-for-Ransom)。
  4. 妨害行為
    • 競合他社や敵対組織への攻撃。
  5. カモフラージュ
    • 他のサイバー攻撃(データ侵害やマルウェア感染)を隠すためのカバー攻撃。

2. DDoS攻撃の仕組み

  1. ボットネットの利用
    • 攻撃者は、多数の感染したデバイス(ボット)を制御するネットワーク(ボットネット)を構築。
    • 感染デバイスには、PC、スマートフォン、IoTデバイスなどが含まれる。
  2. 大量のトラフィックを送信
    • ボットネットを使ってターゲットのサーバに大量のデータやリクエストを送りつける。
  3. サービス停止
    • ターゲットのサーバやネットワークが過負荷状態となり、サービスが停止する。

3. DDoS攻撃の種類

種類説明
ボリューム型攻撃ネットワーク帯域を過剰なトラフィックで埋め尽くす。
プロトコル攻撃ネットワークやサーバが使用する通信プロトコル(例:TCP/IP)の脆弱性を悪用。
アプリケーション層攻撃Webサーバやアプリケーションに過剰なリクエストを送信し、動作を停止させる。
SYNフラッドTCPの接続確立プロセス(3ウェイハンドシェイク)を悪用してサーバリソースを枯渇させる。
UDPフラッド大量のUDPパケットを送信し、ターゲットのネットワーク帯域を占有。
HTTPフラッド過剰なHTTPリクエストでWebサーバのリソースを消耗。
リフレクション攻撃攻撃対象を偽装したリクエストを第三者のサーバに送り、反射的に対象へ大量の応答を送りつける。
アンプ攻撃リフレクション攻撃に加え、応答を増幅するプロトコル(例:DNS、NTP)を利用してトラフィックをさらに増幅。

4. DDoS攻撃の影響

4.1. 個人

  • ゲームサーバやオンラインサービスが利用できなくなる。
  • インターネット速度の低下。

4.2. 企業

  • Webサイトの停止による収益損失。
  • 顧客からの信頼喪失。
  • 復旧費用の増加。

4.3. 社会

  • 公共サービスやインフラ(病院、交通、電力網など)が停止し、広範囲に影響。

5. DDoS攻撃の有名な事例

事例名概要
Dyn攻撃(2016年)大規模なDNSプロバイダーに対する攻撃で、多くの主要Webサイトが利用不能に。
GitHub攻撃(2018年)史上最大級のDDoS攻撃(トラフィック:1.35 Tbps)。
Miraiボットネット(2016年)IoTデバイスを感染させて構築されたボットネットを使った攻撃。
Google攻撃(2017年)Googleに対して2.54 TbpsのDDoS攻撃が仕掛けられた(後に公表)。

6. DDoS攻撃の防御方法

6.1. 基本的な防御策

  1. ネットワークの監視
    • 異常なトラフィックを早期に検出。
  2. 防御インフラの導入
    • DDoS対策ソリューション(例:Web Application Firewall、DDoS防御サービス)を導入。
  3. 帯域幅の拡張
    • 一時的なトラフィックの増加に耐えられるネットワークインフラを確保。
  4. コンテンツ配信ネットワーク(CDN)の利用
    • トラフィックを分散し、負荷を軽減。
  5. ブラックホールルーティング
    • 攻撃トラフィックを特定のIPアドレスに無効化する方法。

6.2. 企業向けの対策

  1. 侵入防止システム(IPS)
    • ネットワークトラフィックを分析し、不正なアクセスを防止。
  2. クラウドベースのDDoS防御サービス
    • Akamai、Cloudflare、AWS Shieldなどを利用。
  3. トラフィックフィルタリング
    • 不正なIPアドレスやトラフィックをフィルタリング。
  4. 災害復旧計画
    • 攻撃時に迅速に対応するためのプランを作成。

7. DDoS攻撃の検出と応答

  1. 異常なトラフィックを検出
    • 突然のトラフィックの急増やパターンの異常を監視。
  2. 影響を最小限に抑える
    • 攻撃対象のサーバを切り離し、被害拡大を防止。
  3. 原因を分析
    • トラフィックログを調査して、攻撃手法や影響を特定。
  4. 法的措置
    • 攻撃者を特定し、必要に応じて法的手続きを実施。

8. DDoS防御ツールとサービス

ツール/サービス名特徴
CloudflareCDNと統合されたDDoS防御。
AWS ShieldAmazon Web ServicesによるDDoS防御サービス。
Akamai Kona Site Defender大規模なトラフィックを分散し、DDoS攻撃から保護。
Imperva高度なWebアプリケーションファイアウォール(WAF)機能を提供。
Arbor NetworksDDoS攻撃の可視化と防御に特化したソリューション。

9. DDoS攻撃の今後のトレンド

  1. 攻撃規模の増大
    • IoTデバイスの普及により、ボットネット規模が拡大。
  2. マルチベクトル攻撃
    • 複数の攻撃手法を同時に使用して防御を突破。
  3. AIと機械学習の悪用
    • 高度な攻撃パターンを自動生成する技術。
  4. ターゲットの多様化
    • 企業や政府機関だけでなく、個人や中小企業も標的に。
  5. サービス化(DDoS-as-a-Service)
    • 攻撃者がDDoS攻撃をサービスとして提供。

10. まとめ

DDoS攻撃は、企業や組織に深刻な影響を与えるサイバー攻撃の一種であり、その手法は年々高度化しています。
防御の強化(監視、対策ツール、訓練)を行うことで、被害を最小限に抑えることが可能です。特に、ネットワークの監視とクラウドベースの防御サービスを組み合わせることが有効な対策となります。

DDoS攻撃への対策は、被害を防ぐだけでなく、サービスの信頼性を維持するためにも不可欠な取り組みです。

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