手続き型プログラミング(Procedural Programming)とは?

投稿者: | 2025年1月6日

手続き型プログラミング(Procedural Programming)は、タスクを手順やプロセス(手続き)として分解し、それを順番に実行することで問題を解決するプログラミングパラダイムです。
主に、手続き(Procedure)関数(Function)を用いてコードを構造化します。


1. 特徴

  1. 手続きの明確化
    • プログラムをいくつかの手続きや関数に分割。
    • 各手続きは特定のタスクを実行。
  2. 順序重視
    • コードが上から下に順序よく実行される(制御フローに基づく)。
  3. 状態の管理
    • グローバル変数やローカル変数を用いて状態を管理。
  4. 再利用性
    • 手続きや関数を再利用可能。
  5. モジュール化
    • コードを小さな手続きや関数に分割し、可読性や保守性を向上。

2. 主な構成要素

2.1. 変数

  • データを一時的に格納。
  • 例(C言語):
    int x = 10;

2.2. 手続き(関数)

  • コードの一部をまとめた再利用可能な単位。
  • 例(C言語):
    void greet() {
    printf("Hello, World!");
    }

2.3. 制御構造

  • プログラムの実行順序を制御。
  • 条件分岐
    if (x > 0) {
    printf("Positive");
    } else {
    printf("Non-positive");
    }
  • ループ
    for (int i = 0; i < 5; i++) {
    printf("%d ", i);
    }

2.4. グローバルとローカルスコープ

  • グローバルスコープ:プログラム全体で有効な変数。
  • ローカルスコープ:特定の手続き内でのみ有効な変数。

3. 手続き型プログラミングの例

C言語による例

#include <stdio.h>

// 関数の宣言
void greet() {
printf("Hello, World!\n");
}

int add(int a, int b) {
return a + b;
}

int main() {
greet();
int result = add(5, 3);
printf("The sum is: %d\n", result);
return 0;
}

Pythonによる例

def greet():
print("Hello, World!")

def add(a, b):
return a + b

# メインの実行部分
greet()
result = add(5, 3)
print(f"The sum is: {result}")

4. 手続き型プログラミングのメリット

  1. 簡単で分かりやすい
    • 順序立てて書かれているため初心者にも学びやすい。
  2. 関数の再利用
    • 同じ処理を繰り返す場合、関数として定義することで再利用可能。
  3. 制御構造の活用
    • 条件分岐やループを活用して柔軟なプログラムを作成可能。
  4. モジュール化
    • コードを関数に分割することで、読みやすく保守しやすいコードを作成。

5. 手続き型プログラミングのデメリット

  1. 複雑化
    • プログラムが大規模になると、状態管理が難しくなる。
  2. データと処理の分離
    • データとそれを操作する関数が分離しているため、意図しないデータの変更が起こる可能性。
  3. 柔軟性の欠如
    • 再利用性や拡張性がオブジェクト指向に比べて低い。
  4. 並列処理の難しさ
    • 状態を共有するため、並列処理の実装が難しい場合がある。

6. 手続き型プログラミングの主な言語

言語特徴
C手続き型プログラミングの代表的な言語。シンプルで高速。
Fortran科学技術計算で広く使用される。
Pascal教育目的で設計され、構造化プログラミングを促進。
Basic初学者向けの簡単な構文を持つ。

7. オブジェクト指向との比較

特徴手続き型プログラミングオブジェクト指向プログラミング
中心となる概念関数と手続きオブジェクト(データとメソッドの結合)
データと処理の関係分離されている結合されている
拡張性新しい要件に対応するのがやや難しい継承やポリモーフィズムにより容易に拡張可能
状態管理グローバル変数やローカル変数で管理オブジェクトごとに管理
主な適用領域小規模でシンプルなプログラム大規模で複雑なシステム開発

8. 手続き型プログラミングの適用例

  1. システムツール
    • シンプルなユーティリティツールやコマンドラインプログラム。
  2. 組み込みシステム
    • ハードウェアに近い低レベルのプログラム。
  3. 小規模なスクリプト
    • 単純なタスクを自動化するスクリプト。

9. 手続き型プログラミングのベストプラクティス

  1. 関数の役割を明確にする
    • 関数名はその役割を表現し、一つのタスクに集中させる。
  2. 適切なコメントを追加
    • コードの意図を明確にするためにコメントを活用。
  3. グローバル変数の使用を最小限に
    • 状態の混乱を避けるため、グローバル変数の使用を制限。
  4. 関数の再利用
    • 同じ処理を繰り返さないように関数を活用。

10. 今後のトレンドと手続き型プログラミングの役割

  1. オブジェクト指向や関数型の補完
    • 手続き型プログラミングは依然として小規模タスクや低レベルプログラミングで重要。
  2. 教育分野での利用
    • 手続き型の概念は、プログラミング初心者にとって理解しやすい。
  3. 組み込みシステムやハードウェア制御
    • 高効率な手続き型プログラミングは、低レベルプログラミングで活躍。

11. まとめ

手続き型プログラミングは、簡単で明確な手法で問題を解決するための基本的なパラダイムです。
小規模でシンプルなプログラムに適しており、初学者がプログラミングの基礎を学ぶためにも重要です。

一方で、大規模で複雑なシステム開発では、オブジェクト指向や関数型プログラミングが適している場合もあります。
状況に応じて適切なパラダイムを選択することが、効率的で効果的なプログラム設計の鍵となります。

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